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騒音トラブルの解決方法

最新更新日 2021年06月24日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

賃貸管理を行う上では様々なトラブル対応が発生しますが、今年の新型コロナウィルスの蔓延により例年より多く発生したのは「音」に関するトラブルです。在宅ワークや飲み会の減少により宅内で過ごす時間が今までより圧倒的に増え、仕事への影響や気分転換の出来ない環境からストレスを多く抱える方が増えました。

そして、騒音を発生させてしまうことや、常識の範囲内の音であってもストレスで気になって騒音と感じてしまうこと、あるいは両方が重なってしまうこともありました。

 

私は騒音トラブルの対応を以下の流れで行うことで、解決しております。

 

①注意喚起の案内文を投函

音の発生元が特定されている場合はその住戸、特定はされていないが何世帯かに絞られている場合は該当世帯に対して投函します。

その際、宛名は「ご入居の皆様へ」と該当者に特定しないようにします。名指しで注意喚起されると心当たりがあっても反発が生まれてしまい、逆効果となることも珍しくありません。

今年のゴールデンウィーク中に当社の管理物件で発生した騒音トラブルに対して、当事業部が代理で作成した投函文の例は以下となります。無事にこの投函文のみで解決しました。

~~~本文~~~

平素は●●(物件名)の良好な管理維持にご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、昨今のコロナウィルス蔓延により緊急事態宣言が発令し、外出自粛(ステイホーム)によってご自宅内で過ごされることが多くなり、これまでになかったストレスも抱えるようになっていることと思います。一刻も早く収束し、元の日常に戻ることを願うばかりです。そんな中で今回お願いの文書を投函することは大変気が引けるのですが、更なる良好な管理維持に努めるべく投函させていただいたことをご理解いただければ幸いでございます。

最近、本建物内で夜間に「俺の金で飲んでる酒だ!」「こっち来いコノヤロー!」といった大きな怒鳴り声が聞こえることがあり、恐怖と不安を感じているというお声が寄せられました。

コロナウィルスにより仕事へ多大な影響が出ており、外出自粛によるストレス発散の場所が少なくなっている状況では、怒鳴りたくなる気持ちも重々理解できます。普段怒鳴ることのない方も自宅での飲酒量も増えて酔った勢いでということも想像できます。
その上で、集合住宅では様々な方が同じ建物内にお住まいいただいており、同じような境遇の中で我慢していらっしゃる方もいるため、お互いに配慮を持ちながら生活していただけることをご協力いただければ幸いです。

皆様で気持ちよくお住まいいただくためのお願いとなりますので、ご理解、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

~~~以上~~~

※参考までに、以下からWordデータをダウンロードできるようにしています。

注意喚起投函文(怒声)をダウンロード

 

重要なことは、「相手への配慮」を示すことです。トラブル対応ではこの一点に尽きると言っても過言ではありません

 

 

②苦情を出した方のお部屋に訪問して騒音の状況確認

上記①で様子を見てもらい、もし改善が見られない場合は状況確認のために訪問しましょう。どの辺りから、どのような音が発生しているのかをヒアリングします。

最も効果的なのは、騒音の発生しやすい時間帯に訪問し、一緒に音を確認することです。私は早朝5時でも夜21時以降でも音の出やすい時間帯に訪問します。なぜなら、この段階で解決しないと後の対応がかえって大変になっていき、トラブルが拡大していくためです。

 

③騒音元に注意喚起

もし訪問しているときに騒音が確認できたら、そのまま該当世帯に訪問して注意喚起しましょう。その際、「●●さんの世帯から足音がうるさいので静かにしてください」と真っ向勝負は完全NGです。

重要なことは、「たまたま発見したことにする」「相手への配慮」「客観的にどう感じたか」の3つを充分に示すことです。例えば、上階の子供の足音が原因だった場合はこのように伝えます。

 

【例文】実は漏水の対応で下階へ訪問していたのですが、足音が聞こえてきたので伺いました。育ち盛りで元気なお子さんだと思いますので、●●さんが注意されても元気に遊ばれているんだと感じます。僕も昔はずいぶんヤンチャしていたので言い辛いことではあるのですが、予想以上に足音が響いてしまっているので、今まで以上にご配慮いただけませんか?

 

このように注意喚起を行うと非常に効果的です。また、苦情を出した方には以下のように対応結果を報告します。

 

【例文】お子様に注意していたそうですが、どうしても言うことを聞かないことあったようで、今まで以上に気を付けますとのことでした。上階の方には厳しく注意しておきました。

 

苦情を出した方は大体感情が高ぶっていて、家主様や賃貸管理会社に対して「騒音元に制裁を加えてほしい」と少なからず考えています。どのような対応を行ったかに関わらず、「厳しく注意した」ということで気持ちが多少落ち着きます。

 


本当に騒音が発生していた場合は、以上のような三段階の対応で解決できるケースがほとんどです。しかし、騒音トラブルの大半は本当の騒音ではなく、常識の範囲内である物音に対して過敏に反応しているケースが多いです。

その場合は上記②のようにあえて早朝や夜などに2~3回足を運んで、解決したい姿勢を示すことで、「ここまでやってくれて解決できないなら自分が我慢するしかないか・・・」と諦めてくれるケースが多いです。

それでも苦情が続くようであれば、状況によって「大変申し訳ないのですが、これまで確認した音の状況であれば通常の生活音の範囲内と判断せざるを得ないので、これ以上は対応できません」と断ることも必要です。

 

ご愛読いただきありがとうございました。

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