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賃貸物件の「管理費・共益費」はどのように設定していますか?

最新更新日 2022年07月23日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

突然ですが、管理費・共益費はどのように設定していますか?

「全部屋一律3,000円にしている」
「管理費をもらうと何か言われると嫌だから無にしている」
「法令点検や共用部分の清掃などを考慮して7,000円にしている」

などが一般的です。
これは決して間違った設定方法ではなく、私は「”実質的”管理費」と呼んでいます。

「”戦略的”管理費」という考え方

「戦略的管理費」という考え方

ここでもう1つ質問です。
全く同じ物件を募集する際、以下のAとBのパターンで賃貸募集した場合、どちらの方が問合せは多くなりそうでしょうか?

【A】:賃料101,000円、管理費0円

【B】:賃料99,000円、管理費2,000円

私の経験上では「B」です。

お部屋探しをする方のほとんどはインターネットを活用しますが、「SUUMO」「HOME’S」「アットホーム」などの賃貸募集サイトは上限賃料を5,000円刻み(または10,000円刻み)で検索できるようになっています。

賃料検索

例えば「賃料75,000円まで」「賃料100,000円まで」といった具合です。
つまり、賃料そのものを切りの良い数字に設定するために、合計の賃料から管理費を割り振ることで、賃貸募集サイトで検索した際にヒットする可能性が高まります。
私はこの手法だけで何件も成約に至ったことがあります。

このように、実際にいくら維持費が掛かっているかとは別に、募集戦略の一つとして割り振る手法を「細分化」、戦略的に割り振った管理費を「戦略的管理費」と呼びます。

ちなみに、管理費や共益費は建物の維持管理に必要な費用に充てるのが原則ではありますが、「実質的な賃料」と考えられています。
賃貸住宅における「共益費」のあり方に関する研究 報告書

戦略的管理費で大家さんが気になるポイント

戦略的管理費で大家さんが気になるポイント

大家さんから空室対策の相談を受けた際、細分化による「戦略的管理費」の提案を行うと、以下のような質問を受けることがあります。

①「管理費が高い」と言われるのではないか
②「この管理費は何に使われるのか?」と聞かれないか
③総賃料が予算を超えたら問い合わせが来ないのではないか

では、一つずつ解説していきます。

①「管理費が高い」と言われるのではないか

確かに、闇雲に割り振っても良いというものでもありません。
極端な例ですが、賃料1,000円と管理費100,000円は明らかにバランスが悪く、様々な問題が生じます。

戦略的管理費を設定する際には「賃料×10%」が上限の目安です。
例えば、賃料10万円なら管理費は1万円までが目安となります。
しかし、1万円を超えると「高い」と指摘されることが多くなりますが、1万円以内であれば高いと指摘されることはほとんどありません。

②「この管理費は何に使われるのか?」と聞かれないか

上限の目安を守れば聞かれることはほとんどありませんが、もしお客様から管理費について質問された際のポイントは、「借主にとってのメリット」を伝えることです。

敷金や礼金、仲介手数料などは、すべて「賃料」を基準にして算出します。
つまり、賃料そのものが安くなることは、借主にとって様々な費用が抑えられる大きなメリットとなります。

「この管理費は何に使われるのか?」と聞かれた際は、以下のように回答しましょう。

「建物全体の維持には光熱費や清掃費用など色々なお金が掛かっているので、もちろん管理費はそれらに充てていますが、細かく計算して管理費を算出している訳ではなくて、大家さんとしてはそれらも含めて賃料・管理費合計11万円で賃貸したいんですね。

その上で、インターネット上では賃料が10万円以上の場合は1万円刻みで検索できるようになっているので、賃料を切りよく10万円にして、管理費を1万円に設定しているだけなんです。

ちなみに、これは借りる方にもメリットがあって、敷金や礼金、仲介手数料などはすべて「賃料」を基準にしているので、賃料が安くなる分だけ他も安くなるので、少し負担を軽減できます。だからといって、もっと賃料を管理費に割り振って欲しいという希望は受け付けられないのでお願いします(笑)」

~以上~

③合計賃料が予算を超えたら問い合わせが来ないのではないか

賃貸募集サイトでは「管理費・共益費込み」というチェックボックスもありますので、それをチェックした方には表示されず、問い合わせが来ないという可能性はあります。
その反面、そのチェックボックスを入れていない方には表示され、「まあちょっと予算オーバーだけど良さそうな物件だから問い合わせしてみるか」と内見に至り、申込になる可能性もあります。

つまり、管理費に割り振ったからといって必ずしも問い合わせがあるという訳ではありませんが、戦略的に割り振った方が問い合わせに至る可能性が上がるのは間違いありません。
「検索したのに出てこない」というのは、残念ながら世の中に存在しないことと同じになってしまいます。少しでも検索でヒットする可能性を上げることが、空室対策に繋がっていきます。

私が過去に携わったケースでは、この「戦略的管理費」などによる細分化を行い、半年間空室だった物件が1週間で2件の申込に至ったこともありますので、早期成約には重要な戦略となります。

小さな可能性の積み重ねが勝ち組大家さんへの近道!

小さな可能性の積み重ねが勝ち組大家さんへの近道!

空室対策は、小さな可能性の積み重ねです。
今回紹介した細分化による戦略的管理費という考え方もそのうちの一つで、これだけで上昇した可能性により成約に至る場合もありますが、基本的には他の手法と組み合わせて実施していくことが望ましいです。

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そして、空室に悩まず、満室を実現して勝ち組大家さんへ近づいていきましょう。
ご愛読いただきありがとうございました。

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